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秘境の宿視察

世界遺産の地、屋久島にある秘境の宿、送陽邸に行ってきました。
今回は現在設計中の旅館のオ-ナ-I氏に誘われて、世界のセレブを魅了する
といわれる宿「送陽邸」の実態を探るための旅でした。

羽田から鹿児島、鹿児島から屋久島と飛行機を乗り継いでやっと屋久島へ到着
しました。羽田から約4時間のフライトでした。島全体が緑のベ-ルに覆われた雄
大かつ神秘的な山々といった強烈な印象を受けました。

レンタカ-を運転し途中で昼食、大川の滝(おおこのたき)、千尋の滝(せんぴろのたき)
などを見学しながら、北部林道を抜け約3時間ほどかかって送陽邸につきました。

ウミガメ産卵日本一の永田いなか浜に面して佇む「送陽邸」は、古くは200年前
の江戸時代から昭和初期頃までの昔の民家を数棟移築し再生した宿です。

写真は部屋のデッキから海の方向に別棟(管理室、食事室)を眺めています。
黒い建物と屋根の白い石が青い海と一体となり、独特の自然の美しい景観をつくってい
ています。
その一体感は、まるでエーゲ海の島々のように感じます。
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宿泊した棟の通路、ここから各客室へアプロ-チします。床は角材を埋め込んであります。
施工は非常にラフなのですが、屋久島的と言うか、野趣に飛んだというか、この絵的な
ストイックなアプロ-チの雰囲気は次の空間へ向かう気持ちを高揚させてくれます。
黒い天井と白い床のコントラストが効いています。
天井は梁下で2.0mm、通路の幅は約1.6mです。
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部屋の写真です。ハンガ-掛は碍子を利用していました。
かつて張ってあった天井は、外され構造体を黒く塗って現しにしてあります。
柱の間隔は京間よりも広く1間が約2m(関東の古民家は約1.88m)と非常に広いのが
特徴です。建具の高さは5尺6寸と関東の古民家とほぼ同じです。
襖より板戸のほうがシックリくると思いました。
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離れにあるお風呂です内湯と外湯があり、雰囲気は宿泊等の通路と同じです。
自分でお湯を溜めて入ります。外湯はお湯が張ってありました。
脱衣場の床は木タイル、浴室はコンクリ-トの洗い出しになっています。
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外湯です砂浜がすぐ下に見えます。湯船の上の小さい四角い窓はアクリル板です。
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ここは海にせり出した桟敷と呼ばれる食事どころです。砂浜はいなか浜と呼ばれる浜で
世界でも有数のアカウミガメの産卵地でラムサ-ル条約に指定されています。
まさに絶景のロケ-ションです。横幅約25mで少しくの字に曲がっています。
周囲に人工物が見えません外灯さえ見当たりません。大自然の中に身をおくと
本当に安らぐことが実感できます。一昨年北海道の石狩川の渓流をヤッケに乗って
川を下った時のことを思いだしました。
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夕食です。採れた魚(首折れサバ、飛魚)の刺身と、飛魚の薩摩揚げ、島でとれた野菜のおでん、
漬物といたってシンプルですが海の大自然の中とあいまって家庭的な感じで何となくほっとします。
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by ykk-project | 2009-06-27 19:06 | 里海邸(大洗町)

工事中及び設計中の物件をご紹介いたします。


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