土台にはヒバの4寸角を使用しています。これから、腐食や断面欠損の多い強度の無い柱を新しい柱と入れ替える作業に移ります。この作業も技術と緻密さが要求される作業になります。


敷地内には隠居住宅、物置、作業場などが立ち並んでいる農家型の配置でその中央に計画されました。既存の築50年ほどの母屋が建っていましたが老朽化し耐震性の問題があり、建て替えが計画されました。
建物を正面から見ています。
1階中央は土間になっています。農村の特徴である土間、縁側、深い軒を取り入れ、伝統的素材の瓦、地場産木材、漆喰、土壁を使って新しい農村の意匠性を造り出したいと思い設計しました。

玄関ホ-ル。黒いタイルと珪藻土と杉板のコントラストで 清潔感と温もりのある和の空間を表現しました。

玄関ホ-ルより土間方向を見る。

リビングからキッチン方向を見る。木と珪藻土それぞれが美しく見える様にバランスを考えて張り分けました。

キッチンから居間越に土間方向を見る。

和室(ゲストル-ム)床框は旧住宅の床柱(黒檀)を再利用。壁から天井は大阪赤土の塗りまわし、襖は越前和紙貼り。

トイレは壁をあえて一面だけ杉板を張りました。全面に張るよりも狭い空間には心地よく感じられます。
笠間焼のボ-ルを洗面器として使っています。

寝室は少し落ち着きを持たせるために、ウォ-ルナットの色をアクセントで杉板に塗りました。

明治時代の土蔵、大正時代の門、昭和初期の母屋、昭和30年代の離れ住宅を再生するプロジェクトになります。設計コンセプトは過去と現在と未来が繋がること、家族や親せきが気軽に集える家としました。
基本的な既存の構造はいじらずに、動線を単純させ水廻りを集中させた明快なプランとしました。
空間は高い空間と低い空間、狭い空間と広い空間、内にいながら外を感じられること、モダンさと懐かしさが行きかうデザインを意識しながら考えました。



再生設計の依頼を受けての調査となりました。調査では現状での間取りや、構造を調べることはもちろんですが、新築時から現在に至る中で増改築の変遷や、その家の特徴を把握することが必要になります。
また、ご家族からヒアリングを行い先祖の方々がこの家でどう暮らしてきたかなどを伺い、提案するプランを考えるうえで大切な要素としてくフィ-ドバックしていきます。新築にはない設計の作業となり、これから住むご家族の過去と未来の歴史を繫げていくことにつながります。



土蔵は今回の調査で、大きな増築を2回行っていることがわかりました。今回の震災で増築部分が被災したことや、構造材が腐食していることがわかり、ご家族とのお話で創建当時の形に戻す方向で進めることになりました。

現在の間取りをおこしました。左側の離れは増築されたものです。

各保育室ごとの家具についてサイズ、素材、金物、安全性、デザイン性について説明を行いました。家具の設計は保育室の使い勝手や空間のデザインに大きく影響しますので細部につてまで協議を行いました。また太陽光発電についても最終的な仕様について、メ-カ-の方にも参加いただき協議を行いました。
また、古材を濡らさないように養生を行います。
H鋼の下に油圧ジャッキを置いて持ち上げて安全に固定します。基礎工事が可能な程度の高さまで少しづつあげて行きます今回は約1メ-トルほど持ち上げます。


